塵芥車(パッカー車)の巻込み式とプレス式はどう違う?特徴・メリット・選び方を徹底解説
家庭ごみの収集から産業廃棄物の運搬まで、廃棄物処理の現場に欠かせない塵芥車(パッカー車)。一見すると同じような見た目をしていますが、ごみを荷箱に積み込む方式によって性能や得意分野が大きく異なります。
パッカー車を購入・買い替えする際、「巻込み式とプレス式、結局どっちが自社に合っているのか?」と迷われる経営者・購買担当者の方は少なくありません。本記事では、両者の構造の違いから具体的なメリット・デメリット、業務別の選び方まで詳しく解説します。
目次
そもそもパッカー車(塵芥車)とは
パッカー車とは、家庭・事業所・工場などから排出されるごみを荷箱に投入しながら収集していくトラックのことです。国土交通省の正式名称は「塵芥車(じんかいしゃ)」で、特種用途自動車として8ナンバーに分類されます。
荷箱内にごみを圧縮する機構を備えており、限られた容量に大量のごみを積み込めるのが最大の特徴です。圧縮の仕組みによって主に「プレス式(圧縮板式)」「巻込み式(回転板式)」「ロータリー式(荷箱回転式)」の3種類に分かれますが、現在の主流はプレス式と巻込み式の2種類です。ロータリー式は積載効率が低いため、現在ではあまり製造されていません。
以下では、現役で活躍する2方式を比較しながら詳しく見ていきます。
巻込み式(回転板式)パッカー車の特徴
巻込み式は、テールゲート底部にある回転板でごみをかき上げ、押込み板で荷箱の奥へ送り込む構造です。回転板が連続的に動作するため、作業員は次々とごみを投入でき、効率よく収集できます。
巻込み式の主なメリット
- ごみが飛び散りにくく、生ごみ・缶・瓶などの収集に適している
- 構造がシンプルでメンテナンスしやすい
- プレス式と比べて車両価格を抑えやすい
- 家庭ごみや木くず、繊維くずといった軽量廃棄物の収集に最適
巻込み式の主なデメリット
- 圧縮力が弱く、粗大ごみや家電など硬い廃棄物の処理には不向き
- プレス式に比べて積載できるごみの総量が少ない
- 回転板への巻き込まれ事故のリスクがある(連続運転モードは特に注意)
一般家庭ごみの収集では「連続機能」(回転板や圧縮板を連続的に動作させ続ける機能)の使用が禁止されているため、自治体の家庭ごみ収集を請け負う事業者は、連続機能のない車両を選ぶ必要があります。
プレス式(圧縮板式)パッカー車の特徴
プレス式は、テールゲートに設置されたプレスプレートとプッシュプレートの2種類のプレートを使い、投入されたごみを細かく粉砕してから強力に圧縮し、荷箱の奥へと押し込んでいく構造です。
その圧縮力は強力で、冷蔵庫やテレビなどの家電、テーブルや自転車といった粗大ごみまで潰すことができます。荷箱への積載効率が高く、一度に多くのごみを運搬できるため、近年では新車購入時の主流となっている方式です。
プレス式の主なメリット
- 強力な圧縮力で、巻込み式より多くのごみを積載できる
- 粗大ごみ・家電・産業廃棄物まで幅広く処理可能
- 収集回数を減らせるため、燃料費・人件費の削減につながる
- 排出時は押し出し式が多く、荷箱にごみが残りにくい
プレス式の主なデメリット
- 圧縮時に汚水が飛び散りやすく、汚水タンク付き仕様が必要になることが多い
- 巻込み式と比べて車両価格が高くなる傾向
- 構造が複雑なため、メンテナンス費用も相対的に高い
- 強力なプレス機構ゆえに、巻き込まれ事故が発生した場合の被害が深刻
【比較表】巻込み式とプレス式の違いが一目でわかる
| 比較項目 | 巻込み式(回転板式) | プレス式(圧縮板式) |
|---|---|---|
| 圧縮力 | 中程度(やや弱め) | 非常に強力 |
| 積載効率 | 普通 | 高い(プレス式の方が多く積める) |
| 適したごみ | 家庭ごみ・生ごみ・缶瓶・木くず | 家庭ごみ・粗大ごみ・家電・産廃 |
| 不向きなごみ | 粗大ごみ・硬い廃棄物 | 特になし(汚水多めの生ごみは要対策) |
| 汚水の飛散 | 少ない | 多い(汚水タンク付きが推奨) |
| 排出方式 | ダンプ式が多い | 押し出し式が多い |
| 構造の複雑さ | シンプル | 複雑 |
| 車両価格 | やや安い | やや高い |
| メンテナンス費 | 低め | 高め |
| 主な用途 | 自治体の家庭ごみ収集・小規模事業者 | 産廃業者・粗大ごみ収集・大規模現場 |
業務別・パッカー車の選び方ガイド
では、自社の業務にはどちらが向いているのでしょうか。代表的な業務シーンごとに最適な選択肢を整理しました。
巻込み式が向いているケース
- 自治体から委託された家庭ごみ・資源ごみの収集業務
- 造園業者など、木くず・剪定枝の運搬がメインの事業者
- 小規模な飲食店や商店からの一般廃棄物回収
- 車両費・メンテナンス費を抑えて運用したい場合
プレス式が向いているケース
- 産業廃棄物の収集運搬業務
- 粗大ごみ・家電リサイクル品の回収業務
- 引越業者やリフォーム業者からの不要品回収
- 収集件数が多く、1回の運搬量を増やして効率化したい業務
購入時に必ず確認したい3つのポイント
中古パッカー車を購入する際、車両の状態によっては購入後に高額な修理費が発生することがあります。以下のポイントは必ずチェックしましょう。
【1】押込み板・プレスプレートの摩耗状態
ごみを直接押し込む板は最も摩耗の激しい部品です。プレートの厚みが減っていないか、油圧シリンダーからのオイル漏れがないかを確認します。
【2】排水溝・汚水タンクの有無
生ごみ収集では汚水が出ます。排水溝・汚水タンクの有無、汚水タンク付きの場合は錆や穴の状態を確認することが大切です。汚水タンクなしの車両で生ごみを扱うと、道路に汚水を垂らして近隣からのクレームにつながる恐れがあります。
【3】回転板・圧縮板の連続機能の有無
一般家庭ごみ収集では連続機能の使用が禁止されているため、その業務を請け負う場合は連続機能のない車両を選ぶ必要があります。逆に産廃業者など効率重視の現場では、連続機能付きが作業を効率化します。業務に合った機能を選びましょう。
まとめ:業務に合った方式を選んで効率化を実現
巻込み式とプレス式、どちらが優れているということはありません。それぞれに得意な業務領域があり、自社の業務特性に合った方式を選ぶことが、長期的な収益性と作業効率に直結します。
一般家庭ごみが中心なら巻込み式、産廃や粗大ごみが多いならプレス式、というのが基本的な考え方です。ただし、実際の選定では積載量や車両サイズ、上物メーカー(新明和工業・極東開発工業・モリタエコノス等)による違いなど、検討すべき要素は多岐にわたります。
また、中古パッカー車は架装部分の状態が車両の寿命を大きく左右するため、信頼できる販売店からの購入が重要です。
高見トラックでは、巻込み式・プレス式ともに豊富な中古パッカー車を取り扱っています。「自治体入札に参加するための車両を探している」「産廃事業の拡大に合わせて車両を増やしたい」など、業務目的に応じた最適な1台をご提案します。架装部分の点検・整備にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。