ダンプトラックの種類を徹底比較|土砂ダンプ・土砂禁ダンプ・深ダンプ・Lゲートの違いと選び方
運ぶ荷物と下ろし方で選ぶ。間違えると違反になるダンプの分類を解説
土木・建設現場から廃棄物処理、農業まで、幅広い業種で活躍するダンプトラック。一見どれも同じように見えますが、荷台の構造やテールゲートの開き方によって種類が分かれ、運べる荷物が法律で決められているものもあります。
「土砂禁ダンプを安く買ったけれど、土砂が運べなかった」といった失敗は、ダンプの分類を理解していないと起こりがちです。本記事では、土砂ダンプ・土砂禁ダンプ(深ダンプ)・Lゲートダンプなどの違いと、業務に合った選び方を詳しく解説します。
目次
そもそもダンプトラックとは
ダンプトラックとは、油圧装置で荷台を傾け、積載物を一度に下ろせる機構を持つトラックの総称です。「ダンプ(dump)」は英語で「どさっと下ろす」という意味で、荷台を傾けて土砂などを一気に排出する様子から名づけられました。サイズは小型(2t)・中型(4t)・大型(10t)に分かれ、車両総重量が10トンを超える大型ダンプの運転には大型免許が必要です。
大きな分類:土砂ダンプと土砂禁ダンプ
土砂ダンプの特徴
土砂ダンプは、最も一般的なダンプで、荷台のアオリ(側板)が低いのが特徴です。土砂・砕石・砂利など比重の重い積載物を運ぶことを前提に積載量が計算されており、主に土木・建設現場で使われます。建設現場で最もよく目にするタイプのダンプです。
土砂禁ダンプ(深ダンプ)の特徴
土砂禁ダンプは、荷台のアオリが高く作られたダンプで、「深ダンプ」とも呼ばれます。アオリが高い分、軽くてかさばる荷物を大量に積めますが、容積が大きいため土砂のような重い荷物を積むと過積載になってしまいます。そのため、車検証に「積載物は土砂等以外のものとする」と明記され、土砂類の運搬は法律で禁止されています。
土砂禁ダンプで土砂を運ぶと、ダンプ規制法違反として罰金が科される場合があるため、購入時には車検証の記載を必ず確認する必要があります。主な用途は、ペットボトル・木くず・牧草・落ち葉といった軽量物の運搬で、清掃業・リサイクル業・農業・畜産業などで活躍します。
深ダンプの種類(ファーム・チップ・清掃)
深ダンプ(土砂禁ダンプ)は、用途に応じてさらに細かく呼び分けられます。
ファームダンプ
牧場・農場向けの深ダンプで、飼料・牧草・収穫物・家畜の糞尿などを運びます。糞尿によるアオリの腐食を防ぐため、内側にステンレス加工を施すことがあります。
チップダンプ
木材チップや肥料などを運ぶ深ダンプです。チップは風で飛びやすいため、天蓋やシートで飛散を防止します。
清掃ダンプ
落ち葉・ゴミ・ペットボトルなど、清掃・リサイクル業務で出る軽量廃棄物を運ぶ深ダンプです。
テールゲートの違い:Lゲート(Fゲート)ダンプ
通常のダンプとテールゲート(荷台後部の扉)の構造が異なるのが、Lゲートダンプです。一般的なダンプはテールゲート上部が支点で下が開きますが、Lゲートダンプは下部が支点で上部が開き、荷台と一体になってフラットになります。
フラットになることで、大きな岩やコンクリート、アスファルトの塊などが引っかからずスムーズに排出できます。荷台を傾けたときにゲートがL字に見えることから「Lゲート」、フラット(Flat)になることから「Fゲート」とも呼ばれます。主に採石場や工事現場、廃棄物処理場で活躍します。
排出方向による分類
ダンプは積載物を下ろす方向によっても分類されます。
- リアダンプ:後方に傾けて下ろす最も一般的なタイプ
- サイドダンプ:左右の横方向に下ろせるタイプ
- 三転ダンプ:後方・左右の3方向に下ろせるタイプ。狭い現場で重宝する
- ローダーダンプ(スライドダンプ):荷台を後方にスライドでき、重機の積み下ろしも兼ねられる
【比較表】主なダンプの種類
| 種類 | 運べる荷物 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 土砂ダンプ | 土砂・砕石・砂利など重量物 | 土木・建設現場 |
| 土砂禁ダンプ(深ダンプ) | 軽量物(チップ・牧草・ゴミ等) | 清掃・農業・リサイクル |
| Lゲートダンプ | 大きい岩・コンクリート・アスファルト | 採石場・解体・廃棄物処理 |
| 三転ダンプ | 土砂等(狭所向き) | 住宅街・小規模現場 |
用途別・ダンプの選び方ガイド
土砂ダンプが向いているケース
- 土木・建設現場で土砂・砕石・砂利を運ぶ業務
- 採石場や造成工事で重量物を扱う業務
土砂禁ダンプ(深ダンプ)が向いているケース
- 清掃業・リサイクル業で軽量廃棄物を運ぶ業務
- 農業・畜産業で牧草・飼料・糞尿を運ぶ業務
Lゲートダンプが向いているケース
- 大きな岩やコンクリート塊を効率よく下ろしたい業務
- 解体現場や採石場での運搬が多い業務
購入時に確認すべきチェックポイント
【1】車検証の積載物の記載
深ダンプ(土砂禁ダンプ)は車検証に「積載物は土砂等以外のものとする」と記載されています。土砂を運びたい場合は、この記載のない土砂ダンプを選ぶか、構造変更手続きが必要になります。購入前に必ず車検証を確認しましょう。
【2】自重計の状態と点検記録
車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の土砂ダンプには自重計が搭載され、年1回の定期点検が義務づけられています。点検記録があるかを確認しましょう。
【3】荷台・油圧装置の摩耗
ダンプは過酷な使われ方をするため、荷台の摩耗・へこみ、ダンプアップの油圧シリンダーからのオイル漏れがないかを確認します。外見がきれいでも内部が傷んでいる場合があるため、整備記録の確認も重要です。
まとめ:運ぶ荷物に合った種類を選ぶ
ダンプトラックは、土砂ダンプ・土砂禁ダンプ・Lゲートダンプなど、運ぶ荷物と下ろし方によって種類が分かれます。特に土砂禁ダンプは法律で土砂運搬が禁止されているため、「何を運ぶか」を起点に選ぶことが、違反やトラブルを防ぐ第一歩になります。
高見トラックでは、土砂ダンプから深ダンプ、Lゲートダンプまで、さまざまな中古ダンプを取り扱っています。「自社の業務に合うダンプを選びたい」「車検証の内容を確認したい」など、ダンプ選びのご相談もお気軽にお問い合わせください。